Zは許す

こち亀」問題に先ほど気づいた。僕はその作品の名前を略して「こち亀」と呼びたくない。略称はそのままでニックネームになったりと、呼ぶ人と呼ばれる人との親密さを表す場合がある。こち亀は人でもけものでもないが、創作物はそれに感情移入したりできる点で人に近いモノである。向こうの出方にもよるが、私は「こち亀」と親しくないし、親しいとも思われたくない。よって私はそれを「こち亀」と呼ばず、正式な名前で呼びたい。正式名称。知らないし、そして長すぎる。

こち亀」は読んだことがあるし、僕は面白みをあまり感じないが、はっきりと嫌いというわけではない。たぶんあれは東京の人が読むものなのだ。都会の人が読むものなのだという理解をしている。この間ラジオで、ジャンプでは「こち亀」しか読んだことがないという人が話していたが、「こち亀」を好きな点として彼の実家近辺がよく出てくることを挙げていた。少なくとも下町の哀愁のようなものについては、都市でなくとも、町には住んでいた人にでなくては感じ取れないように思う。そして僕はそれをわからない。

立ち返って、呼び方の問題に気付いて、僕は「こち亀」って面倒くせえやつだなあと思った。 その点「ももいろクローバー」は大丈夫だ。
この間知人に「ももクロちゃんがさあ...」と言われたが、私はきちんと「ももいろクローバー」と言ってやりすごすことができた。私は、なんで知り合いでもないアイドルにちゃんづけしてやらないといけないのか、ファンの身内でなら「ももクロちゃん」と呼ぼうと私の知ったところではないが、ファンではない私に言うときには「ももいろクローバー」と呼ぶべきだ、と思い、知人にはむかついたが、「ももいろクローバー」がこの件で何も悪くないことは理解できたし、そのことで「ももいろクローバー」が私の心象を悪くすることはなかった。なぜなら私は略されていない「ももいろクローバー」の名前を知っており、自分ではその略称を使わないことで、自分と「ももいろクローバー」の間に敬意ある一線を引くことが出来、また意にそぐわない名前を使わず、自分の心に正直にいることができたからである。「こち亀」は反省して、略称しか流通しないような長い名前を改めるべきである。

ももいろクローバー」のことを書いている途中で、僕はぐぐった。薄々気づき始めていたのである。しかし僕は強引に前段まで書き終えた。確かに「ももいろクローバー」だったろうか。かすかな記憶に残る彼女らは「ゼーット」と叫んでいなかったか。はじめ検索候補には「ももいろクローバー」と出たのだ。だからそれが正式な名前だと思った。「ももクロちゃん」のクロをカタカナにしたのだって、きちんと検索したからだ。しかし彼女らは「ももいろクローバーZ」であった。「Z」一字で面倒くさいやつと思われたくもないが、「こち亀」とは違う方法で、人の懐に忍び込まれていたような気がしてしまう。しかし調べてみれば過去には実際に「ももいろクローバー」だった時期もあったようだし、「Z」はあってもなくてもよかったのではないかということにする。